こんにちは
吉本歯科医院の歯科医師、新枝です。
みなさんは どこかの歯が痛くなってしまい、歯医者に行く、ないしは歯医者に行かなくちゃならなくなった、という時、どんな気持ちになりますか?
まあまず「やったー楽しみ~」ってかたはいらっしゃらないでしょうね(笑)残念ですが・・・。
「憂鬱だな~。この痛いの虫歯かな~?」とか
「抜かなきゃいけないって言われたらどうしよう・・・」とか
「ほかにも悪いところ見つかったらどうしよう」とか
「歯医者さんに行ったらまた痛い事されるんだろな・・・(涙)」etc....
どれもこれも、基本ネガティブな事ばっかりではないでしょうか?
普通の風邪をひいたときや、おなか壊して内科などの病院に行く時は、皆さん多分ここまではネガティブな事を考えないんじゃないでしょうか。
きっともっと軽い感じの気持ちで「ちょっと病院行ってくるわ~」ってなりません??
前回の「痛みの解釈」のお話とちょっと関係あるかもしれませんが、
・・・今回はなんでこんなに歯医者さんって怖いんだろう?という事についてちょっと考えてみようと思います。
歯医者をやっていると、時々抜かざるをえないようなとても大きい虫歯を何本も抱えられた患者さんを診させていただくことがあります。
ここまでの状態になるまでには、きっと、「ちょっとしみるな~」くらいから始まって、「なんか噛んだら痛いぞ?」→「心臓の鼓動に合わせるかのようにズキズキする!!!」「夜も痛くて眠れない!!!」といったような状態を、一本の歯につき一度は経ているはずです。
その後は、「痛みがなくなったぞ?治ったのか??穴はあいているけど・・・」とか、「なんか食べたらガリっていった!?歯が欠けちゃった???」「あれ?一回治ったと思っていたけど、またすっごく根っこの辺りが痛くなってきた(涙)」などといった、その次のステージへと進んでいき、そのどこかで来院する決心をしていただけたのだと思いますが。
これらは何が起こっているかというと、
① ばい菌や噛み合わせ、親知らずなどと言った原因から、まず歯の表面の硬いところ、「エナメル質」に穴が開き始め、
② 神経に近い「象牙質」が見えてきてしまったために、冷たいものなどの刺激が神経に伝わりやすくなってしみてきて、
③ さらにその穴が大きく、深くなって、ばい菌が神経にまで達してしまい、ズキズキした痛みになって、
④ 神経が死んでしまい、一時的に痛みを感じなくなって(これで治ったと思われる方も
⑤ 神経が死んで、歯が枯れ木のように弱くなって欠けたり、根っこの先からさらに菌が侵攻して、骨まで溶かし始めて更なる激痛を生む
といった恐怖のシナリオが進んで行ったという事です。
歯の痛みは、むかしは拷問に使われていたぐらい、とっても痛くて、耐えがたいものですが、にもかかわらず、ここまで我慢してでも歯医者に行きたくない理由ってなんでしょう?
こういう患者さんの初診時のカウンセリングの記録を拝見すると、結構な確率で、
「過去に歯医者さんに行って痛かった、痛かったのにやめてくれなかった」
「歯科恐怖症、とにかく痛いのが怖い」
とおっしゃられている事が多いです。
内科などとの違いは、やはり「痛そうだから怖い」という歯医者さんのイメージや、過去のトラウマによるものが多いのでしょう。
そして、そう言われていたという記載を見ると、正直僕は結構燃えます。
矯正などで歯を動かす痛みなどといった、特殊なものを除き、虫歯が原因で治療するときに痛いかどうかは、麻酔が痛くないか、そしてしっかり効くか否か、これが全てと言って過言ではありません。
私たち吉本歯科医院では私ががほとんどの麻酔を担当させていただいていて、コンピューター制御の麻酔器を片手に、吉本院長直伝の極力痛みの出にくい麻酔の打ち方を実践させていただいています。
すべての患者さんに対してそうですが、特に歯科恐怖症の方には、帰りに「全然痛くなかった!!」と言わせてやるぞ!!と勝手にこっそり意気込んでいます(笑)
麻酔も中々に奥が深く、熟練もいる技術ですが、こうやって勝手に意気込んでいるせいか、ここ半年くらいで、「思ってたのと全然違った」とか、「こんなに痛くないならもっと早く来ればよかった」といったご感想をいただくことがとても増えてきました。
歯医者冥利に尽きることですが、逆に「吉本歯科のせいで歯医者に行くのが怖くなって、こんなになるまで行かなかったんだ」というような患者さんを僕が生み出してしまわないよう、これからも意気込んでいきたいと思います。
皆さんも周りにもし、こんな患者様がいらしたら、ぜひ一度この話をしてあげてください。
手遅れになる前に救ってあげられたら、そしてそういった方の歯医者に対する怖いイメージを変えてあげられたら私も嬉しいです。